【#ホンネのDX】DXを進めていくその先の幸せ|三重県CDO(最高デジタル責任者)田中淳一さん(3)

#ホンネのDX  3回連続でお届けする三重県最高デジタル責任者(CDO)田中淳一さんとの対談。1回目、2回目では、三重県のCDOとして目指すものや、実際に行ってきたDX推進の取り組みについてお伺いしました。

最終回では、田中さんご自身の幸せについて、また幸せな社会とは何かというテーマについてお伺いします。

誰のためのDXなのかということ

菅原:最後にテーマとして幸せというのをいつもお伺いしてるんです。お話を聞いていると色々な世界観をお持ちだと思うのですが、田中さんにとっての幸せというのはなんでしょうか。

田中CDO:三重県のCDOという立場で今日はお話をさせていただいておりますので、そういった観点からの幸せというお話をしたいと思います。
DXを進めていくその先、その先の幸せというのは何だろうかといった時に、やはり誰のためのDXなのかというのが極めて重要だと思っています。
組織のためのDXではなくて、おひとりおひとりのための、思いを実現できるようなそういうDXでなければいけない。私の考える幸せのある種の定義というか、誰もがやりたいことをやりたい時にやりたいようにやれる、それが幸せなんじゃないかなと思っています。こういったやりたいことを自分でやりたい時にやりたいようにやれるというのは、その一方では自立と責任を伴うということでもあるわけなんですけれども、そこがセットになって社会が寛容にそれぞれの希望をかなえられるような、そういう社会が幸せな社会なんじゃないかなと思っておりまして、今回の三重県の取り組みにおいても、そういうコンセプトからあったかいDXであるとか「みえDXセンター」というものも立ち上げてきた、というような感じです。

菅原:確かに幸せには自由もあるけれども、責任を伴うというところはセットであって、そういった中であったかいDXというものを手段としてやられている、もちろんその責任というのはなにも全部自己責任というお話ではなくて、それ相応の選択に対してのものであって、当然そこから漏れた時にはあったかいDXですからそれがまた拾ってあげるというところもちゃんと担保していくということですよね。

田中CDO:もちろんそうですよね。

菅原:ありがとうございます。深いですよね。今、日本でDXなどを見たときに結構分かれるなと思っていて、物事を技術的な視点、従来のICT化の視点、それが悪いということではなくてそれが遅れているならやっていけばいいのですが、そういうところにフォーカスしているものと、本当に本質的な理念などのミッションビジョンから落とし込んでいくやり方で手段としてのデジタルみたいな捉え方に分かれると思うんですけども、まさにその田中さんはそのミッションビジョンから落とし込んで、そして三重県にとって、あるいは誰にとって大切なものなのかという視点からやっているところが、素晴らしいなと思いましたし、おそらく今日の視聴者の方はそういったところがすごく参考になったのではないかと思っております。
本当に今日はお時間いただきまして、ありがとうございました。

田中CDO:こちらこそ、ありがとうございました。

対談を終えて

DXと聞くと、単なるデジタル化を連想して冷たそうな印象を受けがちですが、田中さんのお話を伺っていると決してそうではなく、ひとりひとりの幸せのため、思いを実現するためのあたたかいものでなければならないということを感じました。

そしてその”あったかいDX”はやがてあったかい寛容な社会を作っていくような気がしています。

DXを進めていくその先の幸せとはなにか、誰のためのDXなのかということを常に考え続ける必要があるのだと思います。

#ホンネのDX これからも、あらゆる地域・あらゆる人たちのホンネとトランスフォーメーションを紐解いていきます。

三重県
https://www.pref.mie.lg.jp/

三重県デジタル社会推進局
https://www.pref.mie.lg.jp/D1DIGITAL/index.htm