前橋市 めぶくEYE|Digi田甲子園 アイデア部門 優勝

Digi田甲子園 受賞事例特集

自治体DX白書編集委員会は、内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局が主催した、令和4年度夏のDigi田甲子園 アイデア部門で優勝した群馬県前橋市 スマートシティ推進監 未来創造部参事(2022年度時点の役職、2023年7月時点ではデジタル庁 企画調整官) 谷内田修さまにインタビューをさせていただきました!

めぶくEYEとは?

視覚障がい者歩行サポートシステムで、市民が参加する共助型プラットフォームとの連携が特徴です。
スマホのカメラからAIで画像認識し障害物情報を音声発信するシステムと、市民が参加する共助プラットフォームをつなぎ、視覚障がい者が自身の体験データを提供することで、障がい者本人が参加・貢献できる仕組みです。

めぶくEYEについて
https://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg24704.html

デジタルグリーンシティ(共助型未来都市)に向けて

ーめぶくEYEを導入したきっかけを教えてください

前橋市はデジタルグリーンシティ(共助型未来都市)づくりを進め、優先順位としては先にDXの推進基盤をつくることがあり、その中で生まれたサービスの1つがめぶくEYEです。
デジタル田園都市国家構想のTYPE3に採択されており、推進交付金も活用してDXを進めています。

デジタルグリーンシティは、デジタル×スローシティ(多様性が豊かさ)をコンセプトに掲げており、特徴的なのが事業の中核となるデジタル個人認証「めぶくID」です。
めぶくIDはマイナンバーカードによる本人確認を実施した上で、スマートフォン上に実装されるデジタルIDです。これは、国の認定を受けた電子署名法の認定証明書を備えた信頼性の高いIDとなっています。

利用者はIDに紐づいたデータをどんな事業者やサービスに連携するかを選択できます。
このデータ連携基盤によって、個別最適化されたより質の高いサービスを提供することができ、これによってめぶくEYEの質も高まることになります。

このような情報連携基盤は世界的にもまだ例がないものですが、このコンセプトに賛同いただいた民間企業とも協力して進めているところです。
クリエイティブな企業や個人が集まってきて、官民共創で様々なことが生まれているのも前橋市の特徴です。

デジタルグリーンシティ前橋
https://www.city.maebashi.gunma.jp/soshiki/seisaku/mirainomesozo/gyomu/6/36031.html

めぶくID
https://www.city.maebashi.gunma.jp/soshiki/seisaku/mirainomesozo/gyomu/6/35547.html

市民参加型の社会づくりのきっかけに

ー前橋市にとって、めぶくEYEはどんな役割を担っていますか?

めぶくEYE自体は、視覚障がい者歩行サポートシステムです。スマートフォンのカメラとAI技術により、歩行の妨げとなる道路情報を検出します。音声で道案内すると共に、街並みやカフェなど地域の情報を音声でナビゲートします。IDを用いた共助プラットフォームやコールセンターを通じて、助けを求めている障がい者と役に立ちたい市民とをマッチングし、市民参加型の共助型社会の実現を目指しています。

このめぶくEYEが生まれた背景ですが、マエバシBOOK FESというイベントを開催し、プロジェクトメンバーと前橋の町を歩いていた時にアイディアの種が出てきました。
会話の中で、視覚障がい者支援歩行アプリのEYEナビの話題になり、メンバーが発した「景色が聞こえる」というワードから、EYEナビとIDを用いた共助プラットフォームを連携させた、めぶくEYEに行きつきました。

EYEナビ単体だと自助ですが、プラットフォームと掛け合わせることで共助になります。この共助こそが、前橋市が掲げる共助型未来都市のコンセプトと合致するポイントです。

共助をIDの活用で広げていく

ー 今後はどのような発展や将来性を望んでいますか?
引き続き共助型未来都市の実現を目指していきたいです。元々ある技術やソリューションにめぶくIDを使ってもっとよいものにして、全国に広がって行くとよいですね。また、地域の民間企業がより地元に還元していくような、官民共創のながれを活性化していきたいと思っています。

前橋市について

人口: 331,037人(2022年時点)
面積:311.6 km²
市街地は住宅街やオフィスビルなどが立ち並ぶ都市型機能を有していて、鉄道やバスなどの公共交通も充実しています。
地震や自然災害が少なく、過去100年間における震度5弱以上の地震発生数は、前橋市で3件となっています
子育てや医療の環境が充実しており、保育関係施設の待機児童数はゼロであり、医師は市民220人に対し1人で、これは中核市58市のうち第4位となっています。(2019年時点)

前橋市WEBサイト
https://www.city.maebashi.gunma.jp/index.html

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