#ホンネのDX 3回連続でお届けする磐梯町官民共創・複業・テレワーク審議会副会長 小澤綾子さんとの対談。1回目、2回目では、どんな違いがあっても自分らしく生きるという選択肢がたくさんある社会、リモートワークを通じた社会参画の取り組みについてお話しいただきました。
最終回では、小澤さんの考える幸せの姿や、どのような状況にあっても社会参加ができる可能性について語り合います。
選択肢を広げ続けて、働く、交流する、出会う
菅原:小澤さんが難病を抱える当事者として感じることや、リモートワークを通じた社会参加のお話を伺ってきました。多様な条件下にある人が社会参画をする上でもそうなんですけれども、デジタル技術というのは手段でしかなくて、何のための手段かといえばみんなが幸せになれるためなんですよね。僕は、そういった目的設定がシンプルでいいと思っているんです。小澤さんにとっての幸せって何ですか。
小澤副会長:私にとっての幸せは、やはり自分らしくどのような状態になっても生ききることだと思っています。私の病気は今の医療では進行を止められないものではあるんですけれども、本当に最後まで、どんな状態になっても、自分なりの選択肢を広げ続けて、選択肢を狭めずに自分らしく生ききるということが幸せかなと思っているので、やりたいことを今と同じように続けていきたいです。これから先、車いすにも乗れないくらい進行してしまったとしても、私はやっぱり社会とかかわっていくのがとても好きなので、社会で自分らしく働いたり、友達と交流したり、いろいろな方々と出会ったり、そういうことを続けていきたいです。私はそこに幸せを感じます。
菅原:幸せの本質を言い表されているように思います。私も介護の仕事をしていますが、障がいのあるなしということでなく、ピンピンコロリで亡くなられる方以外は皆、最後はいろいろな不自由を感じるようになっていくんですね。それが早いか遅いかだけの差で。そうすると、今の小澤さんの話で、自分らしく最後まで生きられる社会ができることはみんなにとっての幸せでもあるなと思いました。そういう社会を作るんですよね。
寝たきりでも社会参加ができる世界に
菅原:こんなことを言うのは変ですけれど、寝たきりになったとしてもいろいろな手段を使って、いろいろな仲間に支えられて、小澤さんはとても生き生きと活躍されていくのではないかと思います。本当に素敵な仲間を持っているので、そういう方たちが小澤さんを支えて、活発に活動されていく気がしますね。
小澤副会長:そこはもうあきらめずに、本当に絶対に実現すると思って、今、行動しているところもあります。みなさんも寝たきりにどうぞなってください、なっても安心ですよ、という社会を作っていきたいなと思います。
菅原:寝たきりになっても、目が悪い人にとっての眼鏡と同じくらいの感覚で使えるものが世の中にあったらいいですよね。
小澤副会長:本当にそうなんです。寝たきりイコールとてもかわいそう、何もできない、などと考えてしまいがちですが、いつか眼鏡のように、寝たきりであっても当たり前に社会に出ていて「あの人寝たきりらしいよ」「ああ、そうなんだ」となったり、「あの人、もともと目が悪いらしいよ」と言うのと同じような感覚で話せたりするくらい当たり前に、みんながその場にいる社会というのを作っていきたいなと思います。
菅原:私もそういう社会を一緒に実現していきたいと改めて思いました。今日はお忙しい中、本当にどうもありがとうございました。
対談を終えて
信頼し合う二人の関係性だからこそ聞けること、話せることが詰まった対談でした。
小澤さんの前に無限の可能性が広がっている景色が目に浮かびます。自分らしく生きることを発信していく小澤さんの声が、これからもたくさんの人に届いてほしいと感じました。
長い目で見れば、身体的な不自由を感じる期間は誰にでも訪れます。困難を抱えても、誰もが自分らしく生きていける社会へ。デジタル技術がその一助となることを信じています。
#ホンネのDX これからも、あらゆる地域・あらゆる人たちのホンネとトランスフォーメーションを紐解いていきます。