山形市 やまがたAI部(産学官連携による高校生のためのAI教育)|Digi田甲子園実装部門(指定都市・中核市・施行時特例市等)ベスト4

自治体DX白書編集委員会は、内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局が主催した、令和4年度夏のDigi田甲子園で実装部門(指定都市・中核市・施行時特例市等)ベスト4を受賞した取り組みを、山形市情報企画課 遠藤さまにインタビューをさせていただきました!

デジ田メニューブック「やまがたAI部(産学官連携による高校生のためのAI教育)」
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digitaldenen/menubook/2022_summer/0015.html

産学官が連携したデジタル人材育成

−やまがたAI部とは?

県内の企業、教育機関、自治体が連携して県内の高校生にAIを学ぶ機会を提供するためのデジタル人材育成プロジェクトです。プロジェクト運営のために産学官連携のコンソーシアムが設立され、高校生に対して教育プログラムを提供しています。

教育プログラムはAIを学ぶ座学のほか、課題解決のためデータを収集し、AIを構築するなど実践的なカリキュラムも含む内容となっており、放課後の部活動の時間などを活用して、高校生が活動を行っています。実践的なカリキュラム実施に当たっては、コンソーシアムに参加する県内企業がコーチ役となり、高校生を指導しています。また地元企業へ訪問し現場の状況を学ぶ実地研修も行っております。
年度末には「やまがたAI甲子園」を開催し、参加高校生が1年間の活動の成果を競い合うことでレベルアップを図っています。

やまがたAI部
https://www.yamagata-ai.org/

−やまがたAI部が発足されたきっかけとは?

高校生の教育において探究活動や情報教育の推進が求められていたのですが、デジタル教育を行う環境整備が遅れていました。また、就職や大学進学を契機に若者が県外に流出してしまうことも課題でした。
そこで、山形県内の企業、教育機関、自治体がAI人材育成という目標に賛同してコンソーシアムを立ち上げ、高校生のデジタルスキルの向上や地元企業への就職意識熟成を図っています。

−山形市にとってどんな役割を担っていますか?

山形市では、山形市スマートシティ推進基本計画を策定し、デジタル技術を様々な施策に活用し、市民サービスの向上を図ることとしております。計画を推進するにあたっては、デジタル人材の育成・確保が必要不可欠です。そこで、山形市はデジタル人材育成の活動を行うやまがたAI部に対して補助などにより支援を行っています。やまがたAI部の取組は、デジタルスキルを持つ人材を増やし、その人材が社会で活躍するためにとても重要な役割を担っていると考えています。山形市は、やまがたAI部と連携してスマートシティの実現に向けて取り組んでいきます。

−高校生からはどのような声が寄せられていますか?

最先端技術を学べたり、地元企業について知ることができるということで、多くの学生に興味を持っていただくことができ好評でした。はじめのうちは参加校が少なく不安もありましたが、数校参加が決まるとその周辺の高校も続々と参加いただけるようになり、令和4年度は前年度より10校多い21校、約130名の生徒が参加し活躍しています。

−今後はどのような発展や将来性を望んでいますか?

現在は高校生を対象として取り組んでいるところですが、デジタルスキルを獲得することは、様々な世代において必要なことと捉えていることから、対象範囲を広げられないかなどの検討を進め、より広い範囲でデジタル人材の育成を進めていきたいと考えています。

参考URL

山形市スマートシティ推進基本計画
https://www.city.yamagata-yamagata.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/008/130/sumartcity.pdf

やまがたAI甲子園(令和4年度)
https://www.yamagata-ai.org/news/ai321

山形市について

人口:242,924人(2023年4月時点)
面積:381.58km²
山形市は、樹氷や温泉で名高い「蔵王」や、松尾芭蕉ゆかりの「山寺」などの観光地を有する自然豊かなまちです。2017年に日本で初めて「ユネスコ創造都市ネットワーク」の映画分野に加盟し、山形国際ドキュメンタリー映画祭をはじめとする映像文化に加え、音楽や食など豊富な文化資源に恵まれています。

山形市WEBサイト
https://www.city.yamagata-yamagata.lg.jp/