【#ホンネのDX】デジタル化は柔軟な働き方のカギ|愛媛デジ女プロジェクト代表 飯野めぐみさん(2)

#ホンネのDX 3回連続でお届けする愛媛デジ女プロジェクト代表 飯野めぐみさんとの対談。1回目では、子育て中の女性が自分を取り戻す余裕をつくりたいと、自身が「愛媛デジ女(じょ)プロジェクト」の立ち上げを選んだ経緯を語った飯野さんでした。

今回は、そんな飯野さんが行う「愛媛デジ女プロジェクト」の取り組みについて、具体的な内容を伺います。

デジタル化で時間を生み出しチャレンジを

菅原:前回、「愛媛デジ女プロジェクト」は飯野さんがやっていらした「ママたちが自分を取り戻すための活動」から生まれたと伺いました。「愛媛デジ女プロジェクト」が注目を浴びていますが、どういうことをされていて、何を目指されているのでしょうか。

飯野代表:「愛媛デジ女プロジェクト」は、愛媛の女性たちが、デジタル技術を身に付けて企業や団体、店舗、個人事業主のデジタルまわりの困りごとを解決していこうとするものです。マッチングをする場所があれば、働く選択肢が増えて、余裕につながるのではないかと活動をしてきました。最近では、働く場所を考えるというコミュニティそのものになるといいなと思っています。デジタルを学んでそれを職業にしなければ、ということを私たちは提案したいわけではなくて、自分にとってこういう働き方が最適だというのを見つけて幸せが広がればいいなと思っています。

菅原:たしかに、今までのアナログの時代だと、仕事がしたくても融通の利く仕事はなかなかないし、自分の近くから探さざるを得なかったけれど、高度な仕事を含めてオンラインでやれることが増えてきたから、組み合わせで選択肢が増えるということですよね。

飯野代表:そうですね。やっぱりデジタル化というのは時間を生めるじゃないですか。情報もとれるし、世界も広がるし、みんなで可能性にチャレンジしていこうよと思います。

菅原:時間を生める、そうですね。普通に通勤時間を往復1時間とか2時間かけるのもいいけれども、子育てやいろんなことをしていると、通勤時間自体がなくなる価値はとても大きいですよね。

飯野代表:たとえば今日の対談も、東京に行かなければならないとなると子どもを預けて飛行機に乗って1日がかりになるのでなかなか実現できないですよね。デジタル化で本当に世界が広がって。デジタル派、オフライン派ではなく、どちらもいいところがあるので、どんどん利用して自分や周りが幸せになるために使っていこうよ、と思っています。

菅原:この対談の内容も、YouTubeなどでも発信して、文字起こしをしてポータルサイトで発信することで、理屈上は全世界の人がその情報を受け取れるようになるということですから、そう考えると可能性は無限大にある時代になったんだろうと思います。

デジタルの可能性をもっと知らせたい

菅原:飯野さん自身は活動をされる中で、デジタル化の可能性を実感して経験をしてきたから、その良さをもっと知ってほしいというところがあると思います。一方で、旧来の思考からの逃れ方がわからず、もがいている方もいらっしゃるのかなと思ったのですが、実際どうですか。

飯野代表:去年、学校の休校や家にいてくださいという時間が社会状況の中であったのですが、その時に、オンラインでつながる企画を立ち上げたんですね。でもZoomやオンラインというものに抵抗があったり、ちょっと怖かったりという方ももちろん多くいました。そういう方たちを引っ張ってきて、どんどん体験してもらうと「あ、意外にできるじゃない」という声や、「おかげで自分もオンラインでカウンセリングができるようになりました」という声をもらって、とても嬉しかったんです。知らないだけなのかもしれないので、今の活動もどんどん知ってもらうために、今日もがんばって出てきています。

菅原:知らないから使わないという人も、知ってみたら意外と便利だから使おうとなって、いやもうこれがなければ成り立たないという話になっていく。こういったオンライン会議もそのひとつなのかなと思います。本当に、コロナの前までは「オンライン会議をしてください」と言っても相手方の企業さんも自治体さんもやってくれないというか、やったことがないからイメージもできないし、対面で話すことこそがすべてなんだ、と。もちろんそれも悪いことではないですが、僕は組み合わせだと思うんですよ。でも、コロナになってからやらざるを得なくなって、やってみると選択肢として選ばれるようになってきたなと感じます。

時期に合わせて働き方を変えられるように

菅原:働き手の意識が変わっても、それを受け入れる企業の皆さんの意識が変わってくれないと、うまくマッチしないですよね。
でも、自治体さんも今「テレワークをしてください」「いろいろな活用をしてください」と言っているので、具体的な事例を作ったり、意識啓発をしていくところにおいては、飯野さんの活動はぴったりくるので、うまくマッチしていくといいですよね。実際どうですか、自治体さんに「こういう取り組みを一緒にしてほしい」ということはありますか。

飯野代表:啓蒙というわけではないですが、こういう働き方があるんだよということを一緒に広められたら嬉しいなと思いますね。

菅原:やはりそこですね。啓蒙、啓発こそが自治体さんの力を発揮できるところですね。その上で、民間の中でマッチングをしていけば、きっと地域のいろいろな課題も解決すると思うんですよね。今日子どもが病気で保育園に行けない、となると、だいたいは病児保育の保育所を作れという話になるんですけれども、それはそれでいいとは思うんですが、子どもは別室に寝かせておいて、ちょこちょこ見ながら、でも自分はリビングのテーブルで事務仕事ができたら、病児保育みたいな仰々しい話から離れるわけですよね。

飯野代表:本当にそうなんですよね。病気のときはやはり心配なので、できたらやっぱりそばにいたい。また、今の社会情勢の中で急に休校になったり、急に帰りが早くなったり、目まぐるしかったんですけれど、自分もリモートやオンラインで仕事ができるので、負の影響がありませんでした。子どもに合わせられるので、子育て中の方に本当に最適な働き方だと思います。

菅原:悪いことではないと思うんですけれども、どうしても正規雇用で9時~5時、月~金みたいな働き方こそあるべき姿だという固定観念があって、全部をそっちに寄せようと思うから、いろいろな歪が出るじゃないですか。ある時期においてはフレキシブルな働き方をすることで、うまくマッチする人も実際にいるし、今はそういう人がどんどん出てきていますよね。

飯野代表:まさにそうですね。子どもが育っていくと出社してフルタイムで働くことも可能になるので、どちらが良いというのではなく、時期に合わせて変えられる働き方があればすごく自分の幸せ度が上がりますよね。

菅原:今のお話は男性にもあてはまって、どうしても今は育休の取得率のように、制度をどれだけ利用したかという議論をしがちなんですけれども、そうではなくて、男性もその期間だけでもリモートワークができたらいいですね。子どもをみているとオフィスに行っている人と同じような仕事はできないので、多少負荷を落としてあげたら成り立ちますよね。収入も担保できるし。

飯野代表:そうですよね。ホンネのDXということで、育休もうちの主人が家にいられてもと思うので(笑)。
そういう声はよく聞くんですよ。やっぱり家にフルでいられて、育児を手伝ってくれるとしても、その間、彼のキャリアも途絶えてしまうということも心配です。オンライン化の中でうまくできるのではないかと思いますね。

菅原:当事者として素晴らしいメッセージだと思いますし、今日ご覧になっている自治体の関係者の方もぜひ受け止めていただきたいなと思います。

平凡な幸せに気付ける幸せ

飯野めぐみさんとの対談は次回が最終です。
次回は、幸せとは何かということについて、互いの考察を述べていきます。

愛媛デジ女プロジェクト
https://ehimedejijyo.colon-startwork.com/