【#ホンネのDX】「幸せだね」と言い合える家族にある背景|官民共創未来コンソーシアム代表理事 小田理恵子さん(3)

「幸せだね」と言い合える家族にある背景

DXの先にある幸せについて話そう

#ホンネのDX 3回連続でお届けする一般社団法人官民共創未来コンソーシアム代表理事、小田理恵子さんとの対談。1回目、2回目では、働く人や子育てをする人が生活しやすい社会や、官民共創の取り組みについてお話しいただきました。

最終回では、自分にとっての幸せ、家族の幸せについて語り合います。

幸せの第一段階はストレスがないこと

菅原:小田さんが代表理事を務める一般社団法人官民共創未来コンソーシアムの取り組みについてお話を伺っていますが、私が今、世の中の自治体DXで少し気にしているのは、あまりにもシステムとかデジタル技術みたいな話にフォーカスしすぎていて、本来何のためにやるのかが欠けているように思えることなんです。何のためにやるのかというのを突き詰めていくと、それぞれが幸せになるためですよね。社会の幸せというと大きな話になってしまいますが、たとえば、小田さんにとっての幸せは何ですか?

小田代表理事:ストレスがないことというのが私にとって幸せの第一段階です。今、新型コロナウイルス感染症の拡大防止で社会がオンラインに変わって、意外とストレスが減ってきたなと思います。家で仕事をすると、家の環境を思い切り整えられるじゃないですか。

菅原:そうですね。

小田代表理事:環境が整うと生産性が上がるんですよね。冷暖房や便利家電など、家の中のハードウェアにお金をかけることで、ライフスタイルのほうをワークスタイルに合わせなくてすむようになってきたので、ちょっと幸福度が上がっているんです。仕事のために生活や人生のほうで無理をしなければいけない部分が減ってきたことが、私にとってひとつの幸せの要素なんだと思います。

好きなところで仕事ができる自由

小田代表理事:もうひとつは、コロナ禍でテレワークになったのを機に、住みたかった海辺に引っ越したことです。毎日浜辺を散歩したり、自転車に乗って海の近くのカフェに行ったり、そこで仕事をさせていただいたりしていて、すごく幸せなんです。

菅原:ワーケーションや移住も人気がありますね。都会は都会でいいけれども、常にビルの中にいたり、コンピューターに囲まれていたりすると息が詰まるところがありますものね。

小田代表理事:私はもともと長野の生まれで、田畑を走り回ってカエルと一緒に遊んでいたようなタイプなので、やはり都会よりも地方の生活のほうが合っているんだと思います。

菅原:ある職域の人たちにとっては場所に縛られずに仕事ができるようになって、その人のありたいスタイルを犠牲にせずに仕事ができて、結果的に生活の質も上がって幸せになれるということですね。

ワークスタイルの変化で家族も幸せに

小田代表理事:ライフスタイルをワークスタイルに合わせなくてよいということは、家族の幸せを考えたときの選択肢を増やすことにもつながります。自分だけではなく、子供や配偶者や親がどういう生活を送りたいかということも、主軸に置いて考えられるようになってきたのではないかと思います。最近、家で「幸せだね」と言い合う機会が増えました。

菅原:夫婦で、ということですよね。

小田代表理事:そうです。「いいね、楽しいね」って。

菅原:いいですね、そういうことを言い合える夫婦って。僕も聞いていて幸せになりました。今日お聞きしたお話は全部つながっていますね。今現在の日本の社会や会社の在り方で、家族が幸せにならない、生産性も上がらないから会社も幸せにならないというLose-Loseの関係を、デジタルの力を使って誰もが幸せになるWin-Winの関係に変えていけるといいなと思いました。

今日はありがとうございました。

対談を終えて

市議会議員の経験と民間の視点。どちらも持っていることで両方の言葉がわかる小田さんの強みが、「共に創る」に生かされています。

家族も会社もたいへんなばかりのLose-Loseの関係を、自治体、民間、地域のWin-Win-Winの関係に変えていけたら。それにはデジタルの力が必要です。

自治体と民間の共創を経てDXが実装されたときの社会のあり方は、個人の幸せととても近いところにあるのだと感じました。

#ホンネのDX これからも、あらゆる地域・あらゆる人たちのホンネとトランスフォーメーションを紐解いていきます。

 

一般社団法人官民共創未来コンソーシアム
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