「都道府県別DXレーダーチャート:指標解説」
レーダーチャートの例
レーダーチャートの意義についてはこちら
1.首長の熱意、方針
「自治体DX推進計画」では「DX の推進に当たっては、仕事の仕方、組織・人事の仕組み、組織文化・風土そのものの変革も必要となる中、首長自らがこれらの変革に強いコミットメントを持って取り組む」ことが必要である、と記さています。(総務省,2020,p5)
一方で、「首長のコミットメント」は定量化されづらいデータです。
自治体DX白書編集委員会は、傾向を分析する上で毎年行われる「所信表明演説」が、一つの鍵になると考えました。
所信表明演説とは一般に、内閣総理大臣が通常国会の冒頭に行う国政の方針や重点課題を説明するものをさします。
議会を有する日本の各自治体においてもこれと似たような形で知事(ないし各自治体の首長)による所信の表明(知事による議案説明、施政方針演説とも)が行われます。
今回の分析では全47都道府県の知事の演説を抜粋し、テキストマイニングを行いました。
(*DXの観点から所信表明演説を評価したものであり、この軸の評価が低いからといって必ずしも首長のコミットメントが低いというわけではございません。)
(*DXについてはDX、デジタルトランスフォーメーションなどの表記ブレを含めて測定しました。)
(*DXではなくスマート自治体、行政のオンライン化などを多く利用する自治体でも実際の首長のコミットメントとは関係なく評価が下がります。)
令和3年2月定例会知事演説を、テキストマイニング(形態素解析、TF-IDF値の計測)。
2.計画的な取り組み、戦略
自治体DXという前例のない取り組みを行う上で、多くの関係者を巻き込むような戦略の策定が出来ているかも重要です。
都道府県には官民データ活用推進基本法に定められる、「都道府県官民データ活用推進計画」を令和3年3月までに定めることが求められていました。(市町村は努力義務)
多くの自治体では高度情報化/ICT化の文脈で整備されてきた「都道府県官民データ活用推進計画」ですが、「DX推進計画」として整備されることも増えてきました。
本調査ではこの「都道府県官民データ活用推進計画」を対象として簡易的な分析を試みます。
官民データ活用推進計画を、テキストマイニング(形態素解析、TF-IDF値の計測)。
3.推進組織のリーダーシップ、体制
自治体DXを進める上では首長のコミットメントのみならず、実働組織をまとめあげてDX推進に向かって突き進んでいくリーダーの存在が不可欠です。
総務省地域情報政策室が毎年まとめている「地方自治情報管理概要」には、CIOの任命状況などの情報が調査され、掲載されています。(総務省 地方行政局 地域情報政策室,2020)
そこで今回の調査では「地方自治情報管理概要」の項目を参考としながら、「DX」に関する項目について、各都道府県が情報を公開している範囲で独自に調査しました。
(*各都道府県の公文書、報道資料、議会議事録システム、オープンデータなどを調査。)
地方自治情報管理概要(令和元年度(令和2年3月30日発表))
各都道府県の公文書、報道資料、議会議事録システム、オープンデータなどから精査。
4.デジタル人材の確保、育成
デジタル人材が不足していては、方針、戦略、体制を備えていてもDXの推進は困難です。
総務省地域情報政策室が毎年まとめている「地方自治情報管理概要」には、ICTに関する研修の有無などの情報も掲載されています。(総務省 地方行政局 地域情報政策室,2020)
そこで今回の調査では「地方自治情報管理概要」の項目を参考としながら、「DX」に関する項目について、各都道府県が情報を公開している範囲で独自に調査しました。
(*各都道府県の公文書、報道資料、議会議事録システム、オープンデータなどを調査。)
地方自治情報管理概要(令和元年度(令和2年3月30日発表))
各都道府県の公文書、報道資料、議会議事録システム、オープンデータなどから精査。