#ホンネのDX 今回は長野県塩尻市特任CCO 千葉憲子さんとの対談です。
千葉さんは株式会社ガイアックスに勤務しながら、塩尻市の特任CCOに就任していらっしゃいます。
また、日本ワーケーション協会公認のワーケーションコンシェルジュという一面も持っています。
そんな千葉さんに、パラレルワーカーとしての活動や、2拠点で活動するようになった経緯、働き方を創造する活動によって叶えたい未来についてホンネを伺いました。
会社、自治体、ワーケーション、自ら選ぶ働き方
菅原:みなさんこんにちは。自治体DX白書共同編集委員長の菅原直敏です。
本日はゲストに千葉憲子さんをお迎えしております。
千葉さんはパラレルワーカーとして実に様々な活動をしてらっしゃいます。
まず1点目、株式会社ガイアックス 社長室長兼Otell事業責任者。
新規事業系やソーシャルメディア領域などユニークな取り組みをされている会社です。
2点目は長野県の塩尻市で特任CCO(チーフ・コミュニケーション・オフィサー)
お住まいは神奈川県と長野県の2拠点で活動されています。
3点目は日本ワーケーション協会公認のワーケーションコンシェルジェというお立場でもあります。
会社人としての立ち位置、そして地方自治体に関わる公のお立場、さらには自分のプライベートも含めて自由に活動する世界観を作っているという非常にユニークな女性です。
千葉CCO:私自身、2019年にガイアックスという会社に転職をしてこのような働き方をしているのですが、それまではごく普通のサラリーマンでした。
自分の幸せや、皆さんが自由にしがらみから離れて働くにはどうしたらいいかを3年前くらいから考えるようになって走ってきたら、色々なところに巻き込まれて今のような状況になっております。
菅原:今、普通の、という言葉がありましたが電車で通勤をして月曜日から金曜日までオフィスで働くという、いわゆるサラリーマンの生活から一転、現在のガイアックスという会社は雇用や契約のあり方など各種色々な自由度を設計している会社とお伺いしているのですが。
千葉CCO:はい。今正社員としては140名前後ですが、実際プロジェクトに関わっている方々、業務委託契約の方々などを含めると、その5、6倍以上いる会社になっています。社員といっても基本的には働く場所、働く時間も自分で決められるという制度になっていますね。
働き方ですら自由に選択できなかったのに…
菅原:千葉さんの活動というのは色々な思い、例えば自分自身がこうできたらというのもあるし、社会がこうだったらという部分もあってされていると思うのですが、千葉さんが目指している世界観、社会をこうしていきたいという思いがあればお伺いしたいです。
千葉CCO:私が自分のキャリアも変えて色々な働き方をしている一番の理由は、もっと選択肢が広まっていく社会になればいいな、ということです。
その選択肢というのは選べることが大事であって、先ほど言ったサラリーマンであっても自身で選択しているのであればすごく幸せだと思うのですが、今そこしかなくて他の選択肢に行けない方がやはりいるのではないかというのがあり、そこの部分をもっと日本の中で広げていく、それが当たり前の状態にしていきたいということからです。
菅原:その時にネックになるのは、組織や社会環境が選択肢を増やしていくことに対して制度が追いついていないということがひとつ、もうひとつはそれが整っても実際そういう選択があるということが見えないということですよね。
千葉さんの社会における役割は自分が実践することで、あ、こういう選択肢があるんだ、ということを見せていることなのではと思ったのですが。
千葉CCO:その流れで言うと実はもうひとつあると思っていて、色んな方がパラレルで生きているのを見て、こういうのがあるというのは見えてきていると思うのですが、知っていても出来ないとか、ハードルがあると思い込んでいる方々がたくさんいると思っています。
それは働き方を自由にしていきたいということに繋がるのですが、働き方ですら自由に選択されてこなかったのに、働く場所・時間ですら選択できなかった人がいきなり生き方を選択しろというのは無理だと思うんです。
なので、まずは働く場所でも時間でもいいし、例えばリモートと組み合わせて働けるかとか、同じ会社内でもいいのでそういう小さいところから自分で選ぶことを積み重ねて、自分の生き方にオーナーシップを持てるような人が増えたらいいなと思ってこういう活動をしているんです。
菅原:今、働き方の話から入ったのですが、働き方はすなわち生き方でもあるんですよね。
とは言っても、それは千葉さんだからできるんじゃないの?って言われることはないですか?
千葉CCO:意外と私を知っている人はそんなこと言わないんですが、よく知らない人ほどそうおっしゃるかもしれないですね。
私、本当に抜けていますし仕事が出来るわけでも全然ないので。
色んな事の中でわいわいやって、その場を、今そこをどうやって大切にしていくか、というDoの人間なんです。なので、Beがあってこうなるキャリアのためにここをこう歩んでいく、というタイプではないので、親しい人ほど「今を楽しんでいるだけだよね」とわかってくれています。
そういうことが意外と大事だろうと思っているので、私もそのまま出していくようにしています。
親のいる場所で子供の学ぶ環境が決まる?
菅原:現在神奈川県と長野県の2拠点で活動されていて、基本はリモートワークがベースになっていると思うのですが、どんな感じでお仕事をされているんですか?例えばご家族とはどんな風に接してらっしゃいますか?
千葉CCO:まず2拠点といっても私の場合は超ゆるい2拠点なんです。
息子が小学生に上がっているので、やはり平日一緒に連れて行くのは難しく、夏休みなどの長期休暇に1か月まるまる帰るですとか、金曜日が終わってから土日含めて帰るようなゆるい感じです。
ですので、基本的には子供と一緒に帰るというのを大切にしています。
私がなぜこの形を始めたかというと、親がいる場所で子供の学ぶ環境も決まる、というのが親のエゴではと思っていて。
私自身、松本で育って田舎が大好きだったのですが、都会に憧れて出てきましたので、そういう選択が出来るということを知って欲しいということもあって、なるべく休みの日には一緒に帰るという生き方を選んでいます。
仕事はもう、それに合わせてという感じですね。フルリモートで出来ますので。
神奈川県に住んだのは都内に通いやすかったから選んだ土地で、ここで子供もずっと生きていくのが決して悪くはないけれど、他の選択肢もあっていいかなという、全然大した理由ではないところから始まっています。
菅原:今までは多分親が転勤族だとか、そういう人たちの特殊なものだったのが、やりようによっては一般的な人たちも選べるようになってきたということなのかなと思います。私もすごく共感しています。
次回は塩尻市がDX人材を確保するためにしたことについて
千葉憲子さんとの対談は次回に続きます。
次回は、塩尻市特任CCOに就任した経緯や、DX人材の確保に成功した事例について伺います。
長野県塩尻市
https://www.city.shiojiri.lg.jp/index.html
株式会社ガイアックス
https://www.gaiax.co.jp/