自治体DX入門編③リテラシーの底上げをしよう!

自治体DX入門編③リテラシーの底上げをしよう!

どのようなリテラシーを向上するべきか

最後の意識変革の要素は、各種リテラシーの底上げです。チームまたは役所全体の職員のリテラシーが底上げされると、チームや役所の運営の前提条件が変わることになり、様々な取り組みができるようになります。

リテラシーとは、「読解記述力」のことです。それを転じさせて、「ある分野における基礎的な能力」を表す言葉として用います。

情報セキュリティに関するリテラシー

まず、最も重要なことは、情報セキュリティに関するリテラシーです。パブリッククラウドの活用やテレワークの活用が自治体でも一般的になる中で、職員に求められる情報セキュリティのリテラシーはますます高くなっているためです。

また、情報セキュリティに対する正しい認識を持つことで、業務に萎縮することなく、積極的な取り組みを行っていくことが可能になります。

IT・デジタルに関するリテラシー

次は、IT・デジタルに関するリテラシーです。言葉の知識から概念の理解まで、その内容は日進月歩です。これらの基本的なリテラシーを底上げすることで、民間の事業者等とも共通の前提条件で話すことができ、この分野における価値を適切に評価できるようになります。

ツール・ソリューション等に関するリテラシー

最後は、ツール・ソリューション等に関するリテラシーです。デジタル技術ありきで物事を考えるのは、DXの本質ではないのですが、具体的なツールやソリューションの内容を知っているから、具体的な戦略やヴィジョンをイメージできることも少なくありません。

したがって、新しく現れたツールやソリューションは取りあえず触って試してみて、何ができるのかということについて知っておくことは大切です。常にアンテナを張っていましょう。

リテラシーの底上げは地味な作業ですが、一度底上げされると組織全体がデジタル技術も活用して大きな力を発揮するようになるので、計画的かつ戦略的にできるのが理想的です。

「自治体DX入門編④ミッション・ビジョンとは?」はこちら
菅原直敏(自治体DX白書共同編集委員長/磐梯町CDO)