前回は、技術を理解することよりも使いやすさが大事であるとお話ししました。
いくら高性能で多機能であっても、万人に使いやすくなければDXにはなりません。
デジタル技術、使いやすさ>理解すること
今回は、かんたんで使いやすい技術を多くの人が使うことによって課題解決につながるお話しをします。
ふだん使っているチャットツール、なぜ選んでいる?
すべての人が同じ技術を使えることで課題が解決され、大きな価値を生んでいきます。
例えば、みなさんがスマフォで使っているチャットツールがあると思います。
なぜそのツールを使っているのでしょうか?
これについて考えることもないほど生活に馴染んでいますが、おそらく、かんたんに使えるから・まわりの人たちが使っているから・使っていて楽しい、という理由だと思います。
各々が異なるツールを使っていては、コミュニケーションをとることができません。
目的がコミュニケーションをとることにあるのであれば、多機能でむずかしくなくても、誰もが簡単に使えるツールでよいですし、多くの人が共通のツールを使えばその分だけコミュニケーションが広がります。
すごくシンプルで当たり前の理屈ではないでしょうか?
これが自治体DXになると、多機能で難解・操作が難しい・カタカナがやたら多い、などのツールに目がいってしまうことがあります。
住民の立場に立ち、本当によろこんで使ってもらえるツールなのか、いつどういう人がなぜ使うのか、改めて考えてみたいところです。
インフラとして生活に浸透しているか?
もう1つ例を紹介します。
お隣の国、中国の大都市ではキャッシュレス決済が原則になっています。
キャッシュレス決済が前提でサービスが構築されていて、全ての人にキャッシュレス決済がインフラとして浸透しているからこそ、課題解決と新たな価値が生まれていくということになると思います。
今、自治体で導入しているツールは生活に浸透していますか?
そのツールを導入した目的はなんだったのでしょうか?
キャッシュレス決済も何か目的があって、その手段として導入されているはずです。
参考:中国におけるキャッシュレス化の現状と課題〜O2Oマーケティングの可能性〜(ERINA REPORT PLUS)
すべての人が同じ技術を使えることで課題解決になる
ここで思い出してほしいことがあります。
高性能だったり使いやすそうなツールを使うことが目的ではなくて、私たちの幸せを実現するために、最適なツールを選ぶのです。
自治体の業務にあたる自分自身も、1人の住民の立場から考えていきたいところです。