【#ホンネのDX】幸せとは最期に笑顔でいられること|内閣官房オープンデータ伝道師|山形巧哉さん(3)

#ホンネのDX 3回連続でお届けする内閣官房オープンデータ伝道師 山形巧哉さんとの対談。
1回目、2回目では、公務員としてのスタート、デジタル化推進において大切なこと、森町から全国への今後の展望についてお話しいただきました。

最終回では、山形さんが考える幸せとは何かということ、その幸せを実現するためのデジタルの役割について語り合います。

その人との思い出を残せるもの…幸せのためのデジタル

菅原:山形さんが地域のデジタル化のためにされてきた活動や、今後の展望についてお話を伺ってきました。
最後のテーマなのですが、基本的にDX白書ではデジタルの目的は究極幸せのためだと思っています。急に抽象的になりますが、山形さんにとって幸せとはなんですか?

山形さん:語弊があるかもしれませんが、多分幸せとは笑顔で死ぬことだと思っているんです。

菅原:深いですね。

山形さん:僕こそ抽象的になってしまいましたけど。
僕はお祖母ちゃんっ子でお祖母ちゃんのことが大好きで、今年99歳になるのかな…今は施設に入っているのですが。僕がこんなにITの世界でいわゆるシビックテックとかそういう界隈に顔出しをしたというのは、実は祖母ちゃんが認知症になり、祖母ちゃんとの思い出はどう残せるんだろうと思ったのがスタート地点だったんです。
その時に先ほどお話した未来大学の先生をはじめ、色々な方がオープンデータやWebサービスについて教えて下さって、トライ&エラーでやっているうちに何となく今こうなったという原体験があります。
祖母ちゃんは戦後とても苦労をしてきたので、せめて死ぬ瞬間は幸せであって欲しい。どうやったら幸せに死んでいけるのかと思った時に、祖母ちゃんとの思い出を残せるよ、存在を忘れないよ、と言ってあげることが幸せなのかなと考えていました。
昔はそれは口伝や本に書いてなど、歴史に残るような人でないと出来なかったものが、デジタルがあることによって一般の人でも残せるチャンスというものが出来た。デジタルって愛が足りないとか冷たいとか言われがちですが、本来はアナログで人間が全部残さなければならなかったものを、デジタルというもののおかげで我々住民レベルでも思い出などを永続的に残せるチャンスが出来たのではないか、それが幸せと言えるのかなと思いますね。

菅原:わかります。僕もお祖母ちゃんっ子だったので、当事者意識を持って聞いていました。
最期に笑えるということがすごく本質的だと思ったのは、僕は介護の仕事もしていて、人生の先輩方の最期を看取ることも結構してきたんです。どういう人が幸せなのかなと見ていると最期の瞬間に笑える人、なんですよね。
人生の過程においては色々あっても、最後の方には孫が出来て、看に来て色々してくれて、幸せと思って死ねるんだなと。終わり良ければ総て良しなんだなって。
だからその時の苦労すら全部スパイスになる。僕たちのお祖母ちゃんの世代は苦労してきた世代じゃないですか。辛い事は絶対あったはずなんですけど、最期にそう思える。その時にもし距離などで離れていたら伝える手段としてデジタルはすごく意味がありますね。

山形さん:本当にそうですよね。

菅原:今日はいいお話を聞きました。最初の奥さんの時の話から最後はお祖母ちゃんの話まで、山形家の家族総出ですね。

山形さん:そうなんです。どうしてそんなにモチベーションがあるんですか?だとか結構言われることが多いのですが、モチベーションでもなんでもない、ただ自分の生活を考えているにしかすぎないんです。それをたまたまオープンにして公開してしまっているだけで。そのおかげでこういう風に今色々な方に話を聞いていただくということが出来たかなと思います。

菅原:人間オープンデータですね。
素敵なお話ありがとうございます。そして多分今日のお話は、特にメインの視聴者である公務員の人たちに刺さったのではないかと思います。本当に今日はどうもありがとうございました。

対談を終えて

山形さんのお話を伺っていると、全国的に有名な肩書をお持ちでありながらその活動の根底には自分の町・森町があり、そして自分の家族や友人の姿があるように思います。

常に地域の人々の幸せのためにデジタルをどう役立てるのか、そのあたたかい思いはこれからの社会がデジタル化を進めていく中で、忘れてはならないとても重要なことなのではないでしょうか。

#ホンネのDX これからも、あらゆる地域・あらゆる人たちのホンネとトランスフォーメーションを紐解いていきます。

内閣官房 情報通信技術(IT)総合戦略室
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