【特集】DXで防災!リアルで起こる災害をSNSを活用してリアル収集

SNSで情報収集!DXでの防災情報収集とは!?

近年、多発化・激甚化する自然災害。地方自治体は限られたリソースで対応し、被害を最小限に留めなくてはなりません。そうした中、これまでの対策の延長線上にない、「防災のDX」に挑む地方自治体があります。

大分県 生活環境部 防災局 防災対策企画課 防災対策班 副主幹 後藤辰徳 様

大分県では、以前からSNSを利用した情報収集に注目していました。災害時には初動対応が重要で、被害の拡大にも影響を与えます。そのため、SNSに投稿されるタイムリーな動画や写真などの情報は、県として積極的に活用したい情報でした。何か新しい情報収集手段が必要だと考えていたところ、『Spectee Pro』の事を知り、導入してみました。


『Spectee Pro』は、株式会社スペクティが提供するAI防災・危機管理情報ソリューションで、SNSへの投稿を中心に、気象情報や交通状況などのビッグデータ解析を通じて、災害等の情報をリアルタイムで配信するソリューションです。


まず、『Spectee Pro』を無料トライアルで使ったところ、大雨時にSNSに投稿された画像や動画付きの情報から冠水している市街の様子をタイムリーに把握することができました。 限られた職員数で救援部隊に適切な要請を少しでもスムーズに出すことが求められるので、現場に行く前に視覚的な情報が取得できるのはありがたかったです。改めてSNS情報の有用性を感じるとともに、AIや人の目でのスクリーニングによって確かな情報を配信するという企業やサービスの方向性にも共感し導入を決めました。また、地図表示機能もあるので、どこで何が起こっているかが可視化された画面を見ながら判断できたのも非常によかったです。

実際の『Spectee Pro』の活用シーン

令和2年7月豪雨時、SNS情報を救助に活用することができました。被害状況の情報収集にも活用したのですが、土砂災害等による孤立からの救助や安否確認などを求める投稿が目に留まりました。 大分県にはTwitterの公式アカウントがあったので『Spectee Pro』で拾った投稿にリツイートして被害状況の確認や適切な連絡先を伝えるなど、複数件の救助に活用することができました。これは県として大きな取り組みだと思っています。AIアナウンサーによる投稿の読み上げ機能は助かっている機能の1つです。 新着の情報をスムーズに読み上げてくれることで職員がパソコンの前に張り付いていなくても重要な情報を見逃すことを防いでくれます。

加えて、大分県では『Spectee Pro』で得た情報に迅速に対応するためにSNS担当を置いています。 また、災害発生時などに加わる担当者以外の職員でも『Spectee Pro』が使える様、簡易のマニュアルをデスクに常備しています。これらの体制のおかげで令和2年7月豪雨時にもしっかり情報を収集し続け、致命的な見落としを防ぐことができました。

大分県 生活環境部 防災局 防災対策企画課 防災対策班 主幹 佐藤憲治 様

実際での使用実績と成果

発災直後の情報がタイムリーに取得できる。しかも、それが言葉だけでなく写真、あるいは映像付きで入ってくるというのは初動対応にすごく役立ちますね。 特に、職員が活動できない夜間において現場の情報などは今まで取得が難しかったのですが、テレビで報道される前に県としてこの様な情報がしっかり収集できるようになったのは大きいと思います。

また『Spectee Pro』に搭載の投稿場所が特定できる地図表示機能は非常に便利で、被害状況を俯瞰的に把握や、後の被害状況分析に活用できます。2020年1月に季節外れの大雨が降ったのですが、佐伯市に流れる河川付近の冠水投稿を地図表示してみると、河口が大きく氾濫していない方の河川付近では浸水に関する投稿は少なく、河口の幅が狭く氾濫した河川付近では多くの投稿があり、浸水状況と被害に関する投稿量の一致が一目瞭然でした。今まではこの様な情報を取得、分析するのに人手も時間もかかっていましたが、DX化によってハードルがぐっと下がりました。この様な分析は今まで十分にできていなかったので今後取り組んでいきたいです。

今後の展望

近年、自然災害の頻発化・激甚化が進み、災害対応にかかる行政職員への負担は増加しています。 特に初動対応はマンパワーも揃わない中、即応性が求められます。こういった課題に対応するため、大分県は、防災に先端技術をどんどん活用していく方針です。 AIなどの最先端の技術や民間企業の力も借りて取り組みを進めていきたいですね。また、近年の異常気象に多くの自治体がいろんなやり方で災害対策していますが、先進的な取り組みはどんどん共有し合って、将来的にチームジャパンとして日本で起こる災害に取り組めればよいなと思います。『Spectee Pro』にはその一端を担って頂くことを期待しています!

【インタビュー概要】

日時:2020年11月16日 実施場所:大分県庁 生活環境部 防災局 防災対策企画課 後藤辰徳 様


 株式会社Specteeについて

国内企業契約社数No.1、自治体契約数No.1のAI防災・危機管理ソリューション『Spectee Pro』を中心に、AI等の最先端の技術を活用したビッグデータ解析を通して、災害関連情報や企業のリスク情報などをいち早く提供する他、デジタルツイン技術による被害のシミュレーションや予測などを行っています。「危機を可視化する」をスローガンに、すべての人が安全で豊かな生活を送れる社会の創造を目指しています。