官と民の力を合わせて暮らしやすい社会に
#ホンネのDX 今回は一般社団法人官民共創未来コンソーシアム代表理事、小田理恵子さんとの対談です。
小田さんは元議員の経歴を生かして、神奈川県川崎市を中心に官民共創の取り組みをしている方です。また、マンガ家として著書を出版するという一面も持っています。
そんな小田さんに、官民共創というアプローチに至った経緯や、官民共創を通じて叶えたい未来についてホンネを伺いました。
官民両方のキャリアと創作者としての顔
菅原:では早速ですが他己紹介ということで、小田さんについてご紹介したいと思います。
小田さんはもともと大手民間会社のシステムコンサルタントとして、業務の改善やシステム導入をされていました。その後、まったく違う議会という世界に入って川崎市の市議会議員を2期8年務めるという、とてもユニークなキャリアをもっていらっしゃいます。さらに、小田さんはなんとマンガを描くんですね。『ここが変だよ地方議員』という本も出されていて、帯のコメントは堀江貴文さんですよね。
小田代表理事:はい、そうです。
菅原:小田さんは、描かれるマンガもそうですが、わかりづらい世界をわかりやすく表現することに長けた方です。一般社団法人官民共創未来コンソーシアムでは、小田さん自身の官民両方の経験をふまえて官民共創の取り組みを行っていらっしゃいます。
誰もがまんしなくてよい社会を作りたい
菅原:活動の先には自分自身が実現したい社会のようなものがあると思いますが、どういったものを目指していますか?
小田代表理事:今の日本で、働き盛りの男性や子育て盛りの女性がもっと自分らしく、ストレスをためない形で楽に働いたり子育てする社会があってもいいのではと思っています。
たとえば朝、満員の通勤電車で長い時間をかけて出社して、終電まで働いてまた電車に乗って帰宅して、わずかな睡眠をとって次の日にまた仕事に行くといった生活を繰り返している人たちがいます。その配偶者に話を聞くと、「実は自分も以前は働いていたが、子供が産まれて預ける先もなく、自分のキャリアを諦めなければならなかった」「どうして女性は子育てとキャリアの両方を目指してはいけないのか。それを言うとわがままだと母親だけが叩かれてすごくしんどい」と非常に悩んでいる女性の方が多いのです。でも、毎日ギリギリで働いてくれているご主人には相談すらできない、と言います。そういった話を議員時代にたくさん聞いていて、本当に社会をなんとかしなければいけないと感じたことが活動の一つの原点です。
菅原:なるほど。
小田代表理事:がまんをしない。そのほうが生産性も上がるのではないか、社会全体もよくなるのではないかと思っています。
時代に応じてワークスタイルも変化していい
菅原:男性の育休率を上げようと言う話もありますが、そもそもの前提条件が破綻しているということですよね。今のままでは男性は育児に関わりたくても関われないし、女性はキャリアを積んでいきたくても相談すらできないという、負のスパイラルですね。
小田代表理事:そうなんです。一方で日本の生産性は先進国の中でとても低いと言われています。しかも、価値創造といったこれからの新しい社会の中でのサービスや事業は、グローバルに見ると結果が出ていない。ワークスタイルを考えると何かがおかしいですよね。
菅原:確かにそうですね。生産性とは投入した時間に対してどれだけの価値を出せるかだと考えると、朝早くから夜遅くまで働いているのに世界での順位は低いというのはどこかに根本的な問題がある。それが働き方であり、ライフスタイルではないかということですね。
小田代表理事:はい。仕事の仕方などに今の時代の変化に追いついていない根本的な問題があるのではないかというのが、官民共創未来コンソーシアムを立ち上げる前の仮説として持っていたことです。
官民共創で目指すものとは
小田理恵子さんとの対談は次回に続きます。
次回は、小田さんの官民共創という取り組みについて、具体的な内容や目指す姿を伺います。
一般社団法人官民共創未来コンソーシアム
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