自治体DXお悩み相談〜ベンダーの力量が物足りない

適切なベンダーを探す作業に力を注ぐ

【質問】

当市のベンダーの技術者の力量が物足りない。また下請けに丸投げしている現状がある。ベンダーを本気にさせるのはどうしたら良いか、ご教示ください。

【答え】

そう言えるご質問者様の自治体は、職員がやるべきことを把握し、しっかりと要件・要求定義ができるという点で素晴らしいです。一方で、これは本当に深刻な問題ですね。私が関わるある自治体では、情報システム・インフラの要求・要件定義を内製し、今までお付き合いのある大手のベンダーに具体的な見積もり等を依頼したところ、全く的外れなお答えが返ってきたことがありました。

これはベンダーロックインの大きな弊害であると感じています。つまり、システム設計を丸投げする自治体に、適当な対応で高い技術力を磨いてこなかった(さらに下請けに丸投げしてきた)ベンダーが、最新の情報システム・インフラ構築に様々な点でついてこられなくなってしまっているということです。

正直なところ、私も関わる自治体では、意欲と能力のある自治体の要件にしっかりと対応できるベンダーを探す作業に注力しています。ただ、民間企業では実現している環境でもあるので、もう少し範囲を広げて探せば見つかるのではないかと思案しています。お答えにならず申し訳ありません。

また、仮にあらゆるシステムをSaaS等に寄せていくならば、将来的にはベンダーの存在自体が大半の局面において必要なくなるのではないかとも予測しています。私自身、自分が経営に関わるスタートアップ企業の情報システム・インフラの設計から構築まで内製した経験がありますが、小さな自治体であれば、同様にできない理由がないと考えています。

 

回答者:菅原直敏(自治体DX白書.com共同編集長/磐梯町CDO(最高デジタル責任者))